本文へスキップ

特定非営利活動法人 早稲田成年後見サポートセンターは成年後見制度を専門とするNPO法人です。

TEL. 03-3847-7600

〒110-0005 東京都台東区上野7-6-10 MSKビル8階

ご相談事例集 (医療・福祉職の方向け)FAQ

以下の相談事例は、当法人が過去に受けた相談事例を基に作成しておりますが、細部に関しては実際の事例とは異なりますことをご了承ください。


【キーパーソン不在の施設利用者】

私は、現在ケアハウスにて施設相談員を行っています。当施設にご入居されている方で、ご親族の支援が得られていない方がおります。今はまだその方もお元気なのですが、将来的には判断能力の低下や身体機能の低下により他の施設や病院へ移らなければならない可能性がありますが、その際に手続的に支援をしてくれる方がいないと、当施設としても対応に苦慮すると考えられます。どうすればよろしいでしょうか。

 ケアハウスは、一般にはある程度自立されている方を対象とした施設ですので、ご質問のように、入居者の自立度が落ちた場合には次の施設を探す必要が出てくる場合があります。特に判断能力が低下してしまわれた場合には、次の施設が見つかっても自ら契約を交わすことが困難となるため、当該施設からの速やかな移転は難しくなる恐れがあります。
 このような場合、ご親族が身近で支援していればそれほど問題は大きくならないかもしれませんが、そうでない場合には事前の対応が必要となるでしょう。そこで、ご本人の現在の判断能力の程度にもよりますが、任意後見契約や法定後見制度を利用し、ご親族に代わるキーパーソンとして任意後見人候補者や補助人等を予め選任しておき、将来の判断能力低下のリスクに備えることが有用であると思われます。



【長期入院患者の財産管理】
私は、現在医療機関にて医療相談員を行っています。当医院は療養型の病院であるため、長期に渡り入院されている患者様が多数いらっしゃいます。こういった患者様の日常的な金銭管理は病院でも行っているのですが、一部の患者様は保有資産が多額であるため、病院側が管理する金銭の額もかなり多額になってしまっています。当医院としては、今後もこのような金銭管理を継続することはコンプライアンス上の問題や後々のご親族とのトラブルが想定されるため、管理を外したいと考えています。どうすればよろしいでしょうか。 

 精神病院や長期療養型病院では、患者の入院期間が比較的長くなるため、病院側が患者の日用品の購入等のための小口の金銭管理を行うことはどうしても必要となってきます。しかしながら、親族等の支援者がいない方の場合、病院側が患者の年金等が振り込まれる通帳等の管理までしなければならない場合があり、管理額が多額になってしまうケースがあります。このような管理を病院側が事実上行うことは、ご質問のような問題に巻き込まれる場合が大いに想定されます。
このようなケースにおいて私共が後見人等を行う場合は、ご本人の通帳等を全て管理し、12か月に一度の定期訪問の際に、一定額の金銭を病院に預けるという方策を取っております。こうすれば、当該金銭は我々と我々を監督する裁判所によって法的にクリアに管理されているため、ご質問のような問題に病院が巻き込まれるといった事態はある程度回避できるのではないかと思われます。



【親族による経済搾取と成年後見】
私は、病院でケースワーカーを行っておりますが、最近当院に入院された患者様のご家族がご本人の年金を使い込んでしまっているためか、度々入院費を滞納するというケースが出ております。最近ではその頻度が多くなってきたため何とか対応をしたいのですが、ご本人の認知症状も進んでおり、状況の改善が見込めません。どうすれば良いでしょうか。

 最近親族によるこのようなケースが良く見受けられます。こういったケースは、親族が生活苦や借金返済等の理由から、ご本人の年金を全て引き出して使い込んでしまっており、その頻度が少しずつ増えていくのが典型的です。このような場合、ご本人の意思がはっきりしていないと成年後見制度にすぐにつなぐことが難しく、被害が拡大してしまいます。経済虐待のケースとして、各自治体の高齢者支援課等(自治体により名称は異なります。)に連絡し、首長申立(自治体が調査の上、成年後見制度の申し立てを行う制度です。)の打診を行うのが望ましいと言えます。 
なお、首長申し立てにおいては候補者がいないと手続きが速やかに進まない場合がありますので、そのような場合には当法人が候補者として就任させていただくことも可能です。



【在宅介護職による金銭管理の支援】
私は現在ケアマネージャーをしております。私が担当している方で、何名かの方は独居の方で、身近に親族の方もいらっしゃいません。皆様ご高齢のため、銀行にお金を下しに行ったり、各種支払いを行ったりということが難しいということで、ご本人の同意を得たうえで私がこういった事務をボランティアで代行しております。こういった行為は問題ないでしょうか。

 ケアマネージャーという職業はご本人の非常に身近に位置する職業ですので、恐らく相談者の方もご本人の信頼を得てこういった事務を行われているのであろうと思います。しかしながら、ご本人の信頼を得ていたとしても、いざ問題が生じたときにはご自身の責任を問われかねないといった事態も生じます。また、福祉サービスを提供する側の人間が、サービス対価の支払いを代行するというのは、法律的には利益相反の恐れがあります。
こういったトラブルを避けるためには、ご自身一人で無理をするのではなく、役割分担を行い、財産管理は成年後見人等に委ね、自身はサービス提供に専念するといった意識が必要ではないかと考えます。また、成年後見人等は、ご本人の今後の生活環境をどのように設定していくかということに関してもケアマネージャーと二人三脚で考えていく存在でもあります。今後施設入所や病院への入院も想定される独居高齢者に関しては、このような体制構築を是非ご検討ください。



【成年後見制度利用のタイミング】
私はケアマネージャーをしておりますが、成年後見人制度は頭では分かっているものの、いざ利用しようとすると手続きが煩雑そうですし、また費用もかなり掛かってしまいそうで、どうしても二の足を踏んでしまいます。どういったタイミングで、どのように利用すべきなのでしょうか。

 慣れない方にとっては、制度利用のための手続きは煩雑に感じるかもしれません。しかし、客観的に制度利用の必要性が認められるのに、無理をして現状を維持しようとすると、支援をする介護職の方の負担になりますし、何よりご本人の状態(身体状態、経済状態等)を悪化させてしまう場合があります。ご本人の為を思うのであれば、制度利用を必要以上に躊躇すべきではないでしょう。
では、どのような場合に制度利用が必要となるのでしょうか。基本的に、独居高齢者の方の場合には、皆様いずれは必要になると考えてよいのですが、判断能力の低下やそれに伴う諸問題(金銭浪費、セルフネグレクト、ネグレクト、近い将来の施設等への入所の必要性等)が生じている場合には、すぐに手続きの準備を行うべきと思われます。手続きに関しては、ご自分で行うことが難しければ、各自治体の高齢者支援課や地域包括支援センターといった行政機関に相談されるとよいでしょう。また、当法人でも相談には応じておりますので、お気軽にご連絡ください。



※本事例は、あくまで当該ケースにのみあてはまるものです。類似の事例ではあっても、異なるケースの進め方が必要となる場合もありますので、お気軽にご相談ください。

 

 


特定非営利活動法人 
早稲田成年後見サポートセンター

【東京本部】
 〒110-0005
 東京都台東区上野7-6-10
 MSKビル8階
 TEL 03-3847-7600
 FAX 03-6231-7713

【松戸事務所】
  〒271-0073
  千葉県松戸市小根本42-3
  栄久ビル202
  TEL 047-710-6950
  FAX 047-710-6953